表紙&巻頭特集はファンキー・サックス対談
女性サックス奏者のトップ・プレイヤーとして、常に音楽 シーンの最前線で活躍を続けるキャンディ・ダルファー。そして、彼女に憧れるキャンディ・チルドレン世代のサックス奏者、寺地美穂、堀 江有希子、河村 緑の3人が意気投合して結成したユニット、sax triplets。
初のフル・オリジナル・アルバムをこの2月にリリースし、快進撃を続けるsax tripletsの3人が、毎年恒例となったブルーノート東京で来日公演中のキャンディのもとを訪問し、 直撃インタビューが実現。sax tripletsの3人がプロとして 活動を続ける中で壁にぶつかった、演奏やレコーディング、 パフォーマンスなど様々な悩みを、女性ファンキー・サックス 奏者の先駆者であるキャンディに聞いてもらい、プレイヤー として成長を続ける秘訣をアドバイスしてもらいました。
表紙写真:富田一也
連載:「ジャズの巨匠」ではレスター・ヤングを大特集!
ジャズの歴史に名を残す名サックス奏者をその軌跡から奏法スタイル、使用楽器や代表作紹介など様々な角度から徹底分析していく連載特集「ジャズの巨匠」。今回はチャーリー・パーカーなど次世代のサックス奏者に多大な影響を与えたテナー奏者、レスター・ヤングの魅力を探ります。今号の奏法解説は渡邊恭一氏が担当。スコアはレスターの自作曲「ブルー・レスター」を掲載。そのプレイの特徴とその魅力を思い入れたっぷりに紹介いただきました。同曲のスコア、バイオグラフィー、推薦アルバム紹介、使用楽器と、レスター・ヤングの魅力をお届けします。 (写真:William P. Gottlieb)
インタビュー:ケニーG
甘く切ない音色と歌心溢れる独自のスタイルで絶大な人気を誇るケニー Gが今年1月に来日。東京・BunkamuraオーチャードホールとNHK 大阪ホールで5 年振りとなる日本公演を行いました。今回は本誌の連載セミ ナーでもお馴染みのサックス奏者石川周之介氏にインタビュアーを務めていただき、彼の練習方法、音色やメロディーへのこだわり、彼のプロデュースするケニー・Gサックスのニュー・モデルに関する話題など様々なお話を伺いました。すっかり意気投合した2 人の話は止まらず、当初1 時 間の予定が2 時間近いロング・インタビューに。そこで今回は奏法に関 する話を、そして次号では音色や楽器に関する話題の2 回に分けて、 ケニーGの最新インタビューをたっぷりのボリュームでお届けします。
(写真:言美 歩)
テナー・サックス奏者座談会 川嶋哲郎/藤井尚之/米澤美玖
パワルフルで渋味があり、男性味溢れるサウンドが魅力のテナー・サックス。特にジャズやR&Bのジャンルでは長年花形楽器として君臨してきましたが、現在はアルトに若干押され気味……。そんなアルト全盛の今だからこそ、テナー・ サックスの魅力を読者の皆さんに再認識してもらおうと、今回は各ジャンルで活躍する3人のテナー奏者にお集まりいただき、ぶっちゃけ座談会を開催しました。テナー復権を目指して、その魅力を余すことなく語っていただきましょう!
(写真:内山 繁/whisper not)
インスト特集
■ビンテージ・サックス・ミュージアム マウスピース編 セルマー・マウスピース
近年ますますその人気に拍車がかかるビンテージ・マウスピース。 今回はサックスのトップ・ブランドとしても数々の名器を世に送り出しマウスピースも同様にソロイストなどの歴史的名器を生み出したセルマーのビンテージ・マウスピースをクローズアップ! 1980年までに発売されたセルマー・マウスピースの魅力に迫ります。
また、セルマー・マウスピースの中でも特に高い人気を誇るソロイストの本家の復刻モデルと、ソロイストにインスパイアされて開発されたモデルを集め、近藤和彦氏による試奏レポートもお届けします。
■マウスピース工房訪問 ヤナギサワ
日本唯一のサックス専業メーカーとしてジャンルを問わず多くのファンを持つ柳澤管楽器は、楽器本体だけではなくマウスピースの自社開発にもこだわっており、とくにメタル・ マウスピースはメタル初心者にも扱いやすいと高い評価を得ています。今回は同社のマウスピース工房を訪問し、長年にわたってマウスピースの開発を手がけ、今やマウスピース界のレジェンド的な存在になりつつある島田行男氏と、クラシック・モデルの開発を担当した杉山孝志氏および小林輝夫氏に話をお伺いしました。試奏レポートは同社のカスタム・マウスピースを愛用する中園亜美さんに依頼。現行製品であるオリジナル・モデルのエボナイトとメタル、クラシカル・モデル(エボナイト)の3モデルをあらためて試奏していただきました。
■話題の新製品をいち早くレポート
今号では話題の新製品の試奏レポートを3本掲載しています。
①アンティグア・ニュー・ラインナップ試奏レポート
リーズナブルな価格で高性能のサックスが人気上昇中!プロ・アマ問わず話題になっているアンティグア・サックスの個性豊かなニュー・ラインナップ10モデルの特徴を、サックス専門店、イシバシ楽器WINDPALの工藤さんと、ポップス、ジャズ、その他オールジャンルで活躍中のサックス・プレイヤーの高橋弥歩さんに、各々の目線で分かりやすく解説していただきました。
②キャノンボール×島村楽器 限定コラボ・モデル登場
精悍なブラック・ニッケル仕上げやベルの大型化など、サックスの世界に新たな息吹をもたらしているキャノンボール・サックス。パワフルかつ現代的なサウンドはプロからビギナーにまで広く受け入れられています。今回、島村楽器とキャノンボールのコラボレーションによって登場した限定モデル “Mystic” を、キャノンボール・ユーザーであるTRI4THの藤田淳之介氏にレビューを依頼しました。
③洗えるストラップ! ウォッシャブル・バードストラップが登場
首に負担がかからない、カラー・バリエーションが豊富、 パーツの取り替えによるメンテナンスが可能など、ストラップに新風を巻き起こしてきたバードストラップより、今までなかった“洗える”をコンセプトにしたニュー・モデルが遂に登場しました。今回は洗えるストラップをいち早くライブなどの実践で使用中の宮崎隆睦氏にコメントをいただきました。
奏法ノウハウ特集
エリック・マリエンサルが直伝!
サックス基礎演奏力 向上セミナー
1980年代よりスムースジャズ/フュージョン・シーンのトップ・サックス奏者として高い人気を誇るエリック・マリエンサル。頻繁に日本を訪れる親日家としても知られていますが、今回は2018 年の年末にコットンクラブで行われたカウントダウンを含むライブのために来日中であったエリックをキャッチ! 多くのサックス奏者が悩みを抱えるタンギング 、フィンガリング、楽器セッティング 、ビブラート 、フラジオ、音程の6 つの演奏ポイントの解決方法を紹介してもらいました。
(写真:言美 歩)
住谷美帆が直伝!
サクソフォン運指スピードアップ術
“テンポの速い曲が苦手”“ある特定の音階がどうしてもできない”など、サクソフォン演奏とは切っても切れないのが、運指についての悩みです。どんな練習をしたら速いパッセージ ができるようになるのか、効率良い運指の方法とは……など、クラシック・サクソフォン奏者の新星・住谷美帆さんに、ご自身の経験から基本動作と練習方法を教えていただきました。
(撮影:土居政則)
CD連動企画
ご好評を頂いています譜付属CD連動スコア企画。今回もサックス演奏にマッチした選りすぐりの4曲を、サックス・ワールドのオリジナル・アレンジでご用意させていただきました。カラオケ音源と一緒にぜひ演奏をお楽しみください!
■スタンダード・ジャズでマスターする アドリブ入門セミナー 「サマータイム」 Summertime 演奏:山田拓児(as)、西口明宏(ts)
■極上のポップス・バラード名曲編 「卒業写真」 荒井由実 演奏:伊勢賢治(as)
■3サックスで楽しむ不朽のポップス・スタンダード 「悲しみがとまらない」杏里 演奏:sax triplets/ 寺地美穂(as)、堀江有希子(as)、河村 緑(ts)、 プロデュース/アレンジ:小池修
■サックス・デュオで奏でるスタンダード・ジャズ 「モーメンツ・ノーティス」ジョン・コルトレーン 演奏&アレンジ:青柳誠(as&ts)
その他、連載セミナーやコラムなど盛りだくさんの内容で今号もお届けします。