サックス好きのための専門誌Saxworld

バリトン・サックス

Jupiter JBS1000

全音域にわたって鋭い音の立ち上がり
細かいニュアンスをナチュラルに表現

 台湾の老舗ブランド、ジュピターからバリトン・サックスのエントリー・モデルJBS1000の登場です。最新の音響工学に基づいた新設計が採用され、ハイエンド・モデルに匹敵する性能を目指して開発されています。一般的なラッカー仕上げで美しい風貌、リーズナブルな価格設定ながら細部にわたって非常に良く作られています。

 手に持った感触はいわゆる一般的なバリトン・サックスを持ったときと同等に自然です。

 今回はオットーリンク メタル7、フランソワ・ルイ リガチャー、バンドーレン青箱3のセッティングで試奏開始。全音域にわたって反応が良く音の立ち上がりが鋭い点が好感触。音域によっての音色の違いも少なく、程よい抵抗感が安定感を生んでいます。あと音程感覚についてですが、低音は普通で高音へ行くに従って高めになっていくタイプ。コントロールできる範囲なので音程のクセを理解すれば奏者側で対処が可能でしょう。

 アーテュキレーションもつけやすく、タンギングも容易です。細かいニュアンスも自然に表現できるのでこれからバリトンを買いたいという方には即戦力になるでしょう。

 これからバリトン・サックスの購入を検討している人には選択肢の一つに加えていただきたい製品です。ぜひ店頭などで試奏して、本機の反応の良さを体感してみてください。


調整可能なパーム・キィ

高さ調整を可能にしたパーム・キィの搭載によって、速いパッセージにおける操作性を向上させた

LowC♯キィ開き止めメカ搭載

バリトン・サックスにとって重要な低音部の開き具合による操作性や音程の調整も可能なLowC♯キィの開き止めメカを搭載しスムーズなレスポンスを追及した

可動式ペグを標準装備

ハイエンド・モデルに匹敵する性能を追及し、低価格モデルながら可動式ペグを標準装備とした。男女や体格、吹奏時の姿勢を問わず楽器の高さを調節できる

 

(撮影:田坂圭)

550,000円

(問)グローバル TEL 03-5389-5111

■SPECIFICATIONS ●管体&キィ:イエロー・ブラス●塗装:ゴールド・ラッカー●フロントFキィ、High F♯キィ、Low Aキィ付●タンポ:プラスティック・ブースター・タンポ●その他仕様: Low C♯開き止めメカ、シーソー式左小指キィ、可動式ペグ、高さ調整可能パーム・キィ●付属品:オリジナル・ハードケース、マウスピース、リガチャー、キャップ、ストラップ、クロス、コルク・グリス
■試奏環境 マウスピース:オットーリンク メタル7、リード:バンドーレン 青箱3、リガチャー:フランソワ・ルイ


Jupiter JBS1000試奏動画
この動画はZOOM Q4nで撮影されています。

試奏者  副田整歩

クラシックとジャズの素養を併せ持つサックス奏者。アルト・サックスをメインにサックス全種とフルート、クラリネット、ピアノなどを演奏するマルチ奏者としても活動。お経とジャズのユニットNam Jazz Experiment主宰。スタジオ・ワークのほか中塚武、コトリンゴ、YUKIのサポート・ミュージシャンとしても活動している。デリカテッセンレコーディングスよりシングル「Sign」「Mind Travel」配信中。作編曲家としても高い評価を得る。


LATEST ISSUE

2024年6月13日発売

サックス・ワールドVol.33

◎表紙 才恵加(saeka)

インタビュー
・カマシ・ワシントン
・THE JAZZ AVENGERS 
・ジョージ林(BREIMEN)
・本多俊之 ・村越 葵

◎サックス・プレイヤーズ・ギア・ファイル
・勝田一樹(DIMENSION)

ジャズの巨匠:ドン・バイアス

◎インスト企画
・徹底検証:デュコフ・マウスピース
・カーブド・ソプラノ・ サックスの魅力

◎奏法ノウハウ企画
・新連載:中山拓海が伝授
 アドリブとアンサンブルが同じに学べる“ハモジャズ”セミナー
・小池 修 誌上セミナー リズムが上手く表現できない原因を改善

◎付属CD&スコア連動企画(模範演奏&カラオケ)
「雨のステイション」荒井由実(ss)/演奏:伊勢賢治
「ハレルヤ」 レナード・コーエン(ts)/演奏:屋嘉一志
「星影のステラ」(as/ts)/演奏:青柳 誠
「バッハ 15インベンション 第14番 BWV 784」(as/ts)/演奏:門田”JAW”晃介

 
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