テッド・クラムから自らの名前を冠したモデル、その名も“テッド・クラム・モデル”が登場。メイヤー・タイプのニュー・モデルでテッド・クラムらしい精密な仕上げは健在、アーリー・バビット期のオットーリンクのようなちょっとしたバッフルがあります。
吹いてまず感じるのはバッフルと材質からくる音のフォーカスの良さ。音が良い意味でタイトさがあり指向性をもって前に飛ぶので、自分の感覚以上に音量が出ています。そしてそのままボヤけることもなくマイクに集音されます。
音色は“これぞジャズ・アルト”というサウンド傾向。バッフルがある分多少主張が強くなりますが、吹き方によってバラードのような甘い音色もなんのその。幅広い表現の味方になってくれます。芯のあるサウンドなのでビッグバンドのリード・アルトや電気楽器と共演するようなタイプの方には是非お試しいただきたい逸品です。
少し高めのバッフル
温かくもタイトなサウンドを生み出す少し高めのバッフルと大きなチェンバー
(撮影:田坂圭)
25,000円(アルト用)
(問)石森管楽器 TEL 03-3360-4970
■SPECIFICATIONS ●材質:プレミアム・ハード・ラバー●オープニング・サイズ:73(5)、77(6)●付属品:巾着
■試奏環境 楽器:セルマー・マークⅥ、リード:ダダリオ・レゼルヴ3、リガチャー:セルマー旧二本締め
Ted Klum Ted Klum Model試奏動画
試奏者 副田整歩
クラシックとジャズの素養を併せ持つサックス奏者。アルト・サックスをメインにサックス全種とフルート、クラリネット、ピアノなどを演奏するマルチ奏者としても活動。お経とジャズのユニットNam Jazz Experiment主宰。スタジオ・ワークのほか中塚武、コトリンゴ、YUKIのサポート・ミュージシャンとしても活動している。デリカテッセンレコーディングスよりシングル「Sign」「Mind Travel」配信中。作編曲家としても高い評価を得る。