マウスピース・ブランドのゴッツから、今回はテナー用メタル・マウスピース、“マスター・ビンテージ・ブラス”を試奏しました。
オットーリンクを彷彿とさせるボディ・シェイプで内部はロー・バッフル、サイド・ウォールまで大きく広げられています。材質はオールドのマウスピースの成分分析を行って、同様のビンテージ・ブラス(真鍮)で制作しているとのこと。ゴッツさんのこだわりには毎度脱帽です。
そしてまずお伝えしたいのはとにかく吹きやすいこと。わずかな息を吹き込んだだけでシッカリと音が立ち上がり、そのままフォルテシモまで淀みなく音量が増していきます。音色は基本的にダークながら倍音が多く含まれていてハッキリしていてカラフルなサウンド。サブトーンからフラジオまでストレスなく吹けます。
吹き方による音色変化も付けやすく、プレイヤーの意思を反映してくれるマウスピースです。ロー・バッフル派の方は是非試奏してみてくださいね。
ビンテージ・サウンドを再現
ラージ・オフセット・チェンバー、ロー・バッフル&ミディアム・フェンシング仕様とビンテージ・ブラスの採用により1930年代のサウンドを再現
(撮影:田坂圭)
45,000円(テナー用)
(問)ゴッツ TEL 046-205-3612
■SPECIFICATIONS ●材質:真鍮(ビンテージ・ブラスを再現)●オープニング・サイズ:♯6 (2.25mm) ♯7 (2.4mm) ♯7☆ (2.5mm)♯8 (2.6mm) ♯8☆ (2.7mm)●付属品:ポーチ、プラスチック・ケース
■試奏環境 本体:Hセルマー・シリーズⅡ、リード:ダダリオ・ラヴォーズ/ミディアム・ソフト、リガチャー:バンドーレン・オプティマム
Gottsu MASTER VINTAGE BRASS TENOR 試奏動画
試奏者 副田整歩
クラシックとジャズの素養を併せ持つサックス奏者。アルト・サックスをメインにサックス全種とフルート、クラリネット、ピアノなどを演奏するマルチ奏者としても活動。お経とジャズのユニットNam Jazz Experiment主宰。スタジオ・ワークのほか中塚武、コトリンゴ、YUKIのサポート・ミュージシャンとしても活動している。デリカテッセンレコーディングスよりシングル「Sign」「Mind Travel」配信中。作編曲家としても高い評価を得る。