サックス好きのための専門誌Saxworld

本誌連動企画

DPA Microphones VO4099の魅力をビル・エヴァンスに聞く

ナチュラルな音質で定評のある小型コンデンサー・マイク

ライブで派手に動きながら吹きたいサックス奏者にとって、今や必需品と言えるコンタクト・マイク。中でも、音質と使いやすさの両面で特に評価が高いのが、デンマークのブランドDPA MicrophonesのVO4099です。今回はマイルス・デイヴィス・バンド時代の盟友、マイク・スターン(g)との双頭バンドで来日したビル・エヴァンスにVO4099の魅力を紹介していただきました。

● 撮影:内山 繁(Whisper Not) ● 取材/文:石川周之介 ● 取材協力:ブルーノート東京


1本のマイクで、サックスの全音域が均等にキャプチャーできる。
僕はこれこそがDPAの真骨頂だと感じている。

●DPAのマイクとの出会いは?

●20年近く共に仕事をしているウィーン在住のサウンド・エンジニアがDPAを絶賛していたこともあり、このマイクのことは以前から知っていたんだ。昨年7月、僕がニューヨークでリーダー・ライブをしているときに、DPAの担当者が会場に来てくれて“あなたのサックスでDPAのマイクをテストしたいのですが”と提案してくれた。僕は“もちろん! ぜひ試させて欲しい”と喜んでオファーを受け入れた。なぜなら、これまで長年使っていたコンタクト・マイクとDPAを比較できる良い機会だと思ったからだ。ライブで実際に使ってみてDPAが前のマイクよりも格段に良いと感じたので、それ以来ずっと使わせてもらっているよ。現在はDPAの素晴らしさを知ってもらいたくて、専属アーティストとして活動している。

●ステージでコンタクト・マイクを使用するようになった理由は?

●“演奏中自由に動ける”ということが大きな理由かな。僕はコンタクト・マイクを使うときはワイヤレスにしているんだ。なぜなら演奏中ケーブルを踏んでしまうことが多いので、ケーブルが煩わしくてね(笑)。サックスは僕の声であり、僕の表現すべてだと思っている。なのでマイクに関してはこれまでもずっと研究し、様々な種類を試してきたつもりだ。

●マイクのセッティングが、ベルではなくサックス本体に向いていますね

●DPAのエンジニアは僕がベルからの音ではなく、サックス本体の音を聴かせたいと知っていた。そこで彼から提案があったのがこのマイクの位置(写真1,2)。これまで僕はマイクをベルに向けていたけど、サックス本体に向けたときの音を聴いて衝撃を受けたよ。このようにベルではなく本体に向けることで、すべてのレンジが均等になるんだ。ベルに向けていたときは鼻声みたいで好きじゃなかった。細かいことを言うと、特定の音域で音質が変わったり、音量が変わってしまうことが気になっていた。でもこのマイクの位置ではそういうことが一切起こらないんだ。テナーはもちろん、ソプラノ・サックスも1本のマイクで全音域のキャプチャーが可能になる。僕はこれこそがDPAの真骨頂だと感じている。

●DPAのマイクと言えばアコースティック・サウンドの再現性に定評がありますが。

●僕のPAチームがこのセッティングにした際、とても感動してくれてね。彼らは僕の音を熟知しているからこそ、DPAの再現性が分かるんだ。マイクに乗せたデジタルな音ではなく、“ビルの生音で聴いている感覚だ”と褒めてくれたよ。僕は“素晴らしい再現性を持ったマイク”だと自信を持ってお勧めできるよ。

●ライブでは、音質はもちろんですがハウリング対策や耐久性などもマイクに求められると思います。

●以前使っていたマイクよりも、ハウリングが起きにくいと僕は感じている。どんな環境でもセッティングがしやすいとPAチームからも好評だよ。

●これから導入を考えている人にアドバイスをいただけますか。

●DPAはサックスのすべてのレンジをキャプチャーする素晴らしいマイクであるだけでなく、使用方法も簡単なのが良い。現在市場に出ている中でベストなマイクだと思う。


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Profile ビル・エヴァンス
1958年イリノイ州クラレンドン・ヒルズ生まれ。デイヴ・リーブマンにサックスを師事。1981年にマイルス・デイヴィス復帰バンドのメンバーに抜擢され、「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」などの作品に参加。その後ハービー・ハンコック(k)、ジョン・マクラフリン(g)、ランディ・ブレッカー(tp)らと共演。リーダー作も多数リリースし、自身の作品でグラミー賞に二度ノミネートされている


■ビル・エヴァンスのマイク・セッティング 

ビルはテナー、ソプラノ共にVO4099を楽器本体に向けてセッティング。一般的にコンタクト・マイクはテナー・サックスの場合はベルに、ソプラノ・サックスの場合は2本のマイクでベルと本体の2点に向けてセッティングされることが多いが、VO4099を使用した場合はこのセッティングでテナーはもちろん、ソプラノ・サックスでも1本のマイクで均等に全音域のキャプチャーが可能。サックス本来のサウンドが再現できるという。

写真1 ソプラノ・サックスでのマイク・セッティング。延長用のグース・ネック(GE4099)と面ファスナー・タイプのUC4099を使用
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写真2 テナー・サックスでのマイク・セッティング。クランプマウントのCM4099を使用
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楽器への取り付けには、サックス/トランペット用クリップSTC4099(写真右)、クランプマウントCM4099(写真中央)、または面ファスナー・タイプのユニバーサルマウントUC4099(写真左)を使用(すべてオープン価格)。VO4099Sサックスセットは、VO4099HiとSTC4099、ケーブル類がセットになったパッケージだ。

DPA STC4099DPA-CM4099-clamp-mountUC4099

■幅広い楽器に活用できる デンマーク発の 超単一指向性マイク

DPA dvote 4099_5

DPA Lime

d:vote VO4099シリーズ VO4099S サックスセット
オープン価格 
市場予想価格:50,000円前後(税別)

【主な仕様】カートリッジ/プリポラライズド・コンデンサー型 指向特性/超単一指向性 周波数レンジ(±2dB)/80Hz〜15kHz 感度(±3dB)/−44dB re 1V/Pa(Hi)、−54dB re 1V/Pa(Lo) マイク部寸法(直径×全長)/5.4×45mm 質量/20g ※除ケーブル グースネック長/140mm

問い合わせ先:ヒビノインターサウンド株式会社
電話:Tel 03-5783-3880
          (月〜金曜/9:30〜18:00 祝祭日および指定休日除く)
Web : http://www.hibino-intersound.co.jp/dpa_microphones/

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○「Everything」 MISIA 演奏:伊勢賢治 
○「二人でお茶を」 Tea For Two  演奏:山田拓児&西口明宏
○「Won’t Be Long」 バブルガム・ブラザーズ 演奏:sax triplets 編曲:小池修
○シンコーミュージック特選サックス・スコア「Lemon」米津玄師(CD未連動)

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