コンタクト・マイクの先駆者的ブランドで、これまで数多くの一流プレイヤーに愛用されてきたSDシステムズ。その個性あふれる製品ラインナップから今回は2機種を取り上げた。LCM85はボリューム/トーン調整が可能なプリアンプが付属。LDM94はコンタクト・マイクとしては珍しいダイナミック型で、3点で取り付けるマウント方式にも注目だ。
庵原 まず、どちらも見た目がカッコいい(笑)。やっぱりデイヴィッド・サンボーンのイメージがありますが、音の印象はちょっと意外で、最初からコンプがかかったような感じ。PAの人は楽かもしれないですね。サックスが主役でガツンといく場面より、全体に馴染ませたいときにいいかも。
藤原 LCM85は今回試した中で唯一ボリュームとトーン調整ができる付属プリアンプのせいか、特に個性的に感じました。そして両機種とも確かにコンプ感があります。レベルの大きいところを抑えるというより、小さいところが持ち上がっているように聴こえました。
佐藤 LCM85は高域が伸びていて、ブレス感が出やすい気がしました。LCM94はいかにもダイナミック・マイクを近づけてセットした感じの音ですね。
LCM85
LDM94C
LCM85 /70,000円、LDM94C /49,500円
(問)フォレストーンジャパン TEL 06-6536-8690
LCM85:●形式:コンデンサー型 ●指向特性:カーディオイド ●周波数特性:20〜20,000Hz ●開回路感度:-66dB at 1kHz ●最大音圧レベル:138dB(THD 1%)●出力インピーダンス:200Ω ●寸法/重量:公称値なし
LDM94C :●形式:ダイナミック型 ●指向特性:カーディオイド ●周波数特性:70〜15,000Hz ●開回路感度:-83dB at 1kHz ●最大音圧レベル:155dB(THD 1%) ●出力インピーダンス:200Ω ●寸法/重量:公称値なし
※サックス・ワールドVol.4の付属CDにコンタクト・マイク全7機種をアルト・サックス、テナー・サックスでレコーディングした音源全14トラックを収録しています( 演奏:庵原良司)
コンタクト・マイクを試聴テストしたのはこの3人
サックス奏者 庵原良司
Profile 早稲田大学入学を機にアルトサックスを始め、佐藤達哉氏に師事。卒業後プロに転向。クラリネットやフルート、作編曲も手がける。マンハッタン・トランスファー、SMAP、TUBE、KinKi kids、aiko、久保田利伸、石井達也などのバックを務める。自身のバンド、オレバンドでも活動中。
レコーディング・エンジニア 藤原暢之
Profile ベイブリッジスタジオ〜キーストーンスタジオ〜ファロスなどを経てフリーランスのレコーディング・エンジニアとして活躍中。ゆず、米米CLUB、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE、野宮真貴らのアーティストや、サントラ、ゲーム音楽など多数のレコーディングを手がける。
ライブPAエンジニア 佐藤正明
Profile 音響技術専門学校卒業、タチバナ音響研究所〜フリーランスを経て、2003年にスターテック加入。岸谷香、Crystal Kay、いきものがかり、flumpool、FLiPなどのFOHエンジニアや、PRINCESS PRINCESS、槇原敬之、スピッツ、CHARAなどのモニター・エンジニアを務める