サックス好きのための専門誌Saxworld

アルト・サックス

Cannonball Vintage Reborn Series AVR/ BR-20

奏者の意のままに幅広い音色表現が可能
キャノンボール20周年記念モデル

 前号でレビューさせていただいたビンテージリボーンシリーズを元にした20周年記念モデルのアンラッカー版。アンティークを思わせるノーラッカー特殊加工仕上げは落ち着いた風合いに仕上げられていて、オールドの楽器を思わせる質感。重量は標準的で国産のモデルよりも若干ワイドなキィ配置。とはいえ海外製のモデルとしては標準的なレイアウトなので問題になることは無いでしょう。

 テッドクラム・ニューヨーク・マウスピース、バンドーレン青箱2-1/2、セルマー旧型二本締めリガチャー(シルバー・プレート)で試奏。アンラッカーのモデルだけあって音の立ち上がりがとても速く、細かいパッセージやアーテュキレーションも小気味好くカチッと決まります。音は放射線状に広がり音色はスウィートで太くそれでいてダーク。ジャズメンが好きないわゆる“枯れた音”という名の服をさり気なく着せてくれます。音程感は強いて言えば低音が低く高音が高めになりますがほぼフラット。ピアニシモでは甘い音色で魅了し、強く吹き込むとブルージーでファズがかったちょいワルさが顔を出します。奏者の意のままに幅広い音色表現が可能です。マイクを使わない“生音”がとっても魅力的なので、アコースティックな演奏やジャズ・コンボ、小編成のファンクなどで威力(色気)を発揮すること受け合い。ラッカーのモデルとの比較も面白いので、ラッカー、アンラッカーの二本並べて試奏していただきたい逸品です。


レトロ・デザイン・キィでコンパクトな配列

ビンテージ・サックスのキィ配列を採用し、LowCとEbそしてAlt F#キィをコンパクトに配列。さらにEbにはほかのキィ同様にレッド・ファイヤー・ジャスパー準宝石をあしらっている

伝統的なサイズのネックと象徴的な赤いロゴ

ベルサイズ同様にネックも伝統的なサイズを採用し、オクターブ・キィには手塗りの赤いロゴが楽器の顔として鎮座する。ネックのプレートにもVRの刻印が施される

ソルトレイクの風景が刻まれる

ベルには本社があるユタ州ソルトレイク・シティにおいて一本一本、職人により手彫りされたソルトレイクの風景と胴輪にVintage Rebornに加え20th ANNIVERSARYのレーザー彫刻が入る

(撮影:田坂圭)

500,000円

(問)黒澤楽器 TEL 03-5259-8193

■SPECIFICATIONS●管体:イエロー・ブラス●塗装:ノーラッカー特殊加工●彫刻:オリジナル特別彫刻(マウンテン・ウォーターフォール)●その他の仕様:準宝石:レッド・ファイヤー・ジャスパー●付属品:オリジナル・マウスピース、ハード・ケース、お手入れ用品
■試奏環境 マウスピース:テッドクラム NY5、リード:バンドーレン青箱2-1/2、セルマー旧型二本締めリガチャー(シルバー・プレート)


Cannonball Vintage Reborn Series AVR/ BR-20試奏動画
この動画はZOOM Q4nで撮影されています。

試奏者  副田整歩

クラシックとジャズの素養を併せ持つサックス奏者。アルト・サックスをメインにサックス全種とフルート、クラリネット、ピアノなどを演奏するマルチ奏者としても活動。お経とジャズのユニットNam Jazz Experiment主宰。スタジオ・ワークのほか中塚武、コトリンゴ、YUKIのサポート・ミュージシャンとしても活動している。デリカテッセンレコーディングスよりシングル「Sign」「Mind Travel」配信中。作編曲家としても高い評価を得る。


LATEST ISSUE

2021年9月13日発売

サックス・ワールドVol.22

◎表紙&巻頭特集:勝田一樹(DIMENSION)
◎追悼特集:土岐英史

◎ジャズの巨匠:ジョニー・ホッジス(奏法分析:サイモン・コスグローブ)
◎インタビュー:ジャリール・ショウ

■インスト特集
◎リガチャー最前線(試奏:宮崎隆睦)

■連載
◎古畑奈和(SKE48)の輝け! サクソフォン次世代エースへの道(動画連動)
ファンク・サックスに挑戦!! 今回の講師:海野あゆみ

■付属CD&スコア連動企画(模範演奏&カラオケ音源)
○「ラヴァー・マン」 Lover Man(as & ts)/編曲&演奏:青柳誠 
○「オリビアを聴きながら」杏里(ss)/演奏:伊勢賢治 
○「ビリーズ・バウンス」チャーリー・パーカー(as/ts)/演奏:山田拓児&西口明宏
○「接吻」Original Love(ss, as, ts1, ts2, bs)/演奏&編曲:SAX CATS
○「バッハ 15インベンション 第3番 BWV 774」(ts,as)/演奏&編曲:Tenor Talk(門田”JAW”晃介&石川周之介/ts)、演奏:副田整歩(as)

 
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