サックス好きのための専門誌Saxworld

アルト・サックス

Chateau CAS-HNS

素材にニッケル・シルバーを採用! 音色の振り幅の大きさが魅力のモデル

 シャトーのハンドメイド・シリーズからニッケル・シルバーのモデルです。見た目の質感はまさにアンティーク! ややグレーがかったサテン・シルバーとブロンズがかったサテン仕上げのキィが強烈に渋さを演出しています。手に持つとキィが自然に手に収まり違和感はありません。早いパッセージも難なくこなせるキィの配置という印象。

 マウスピースはメイヤー5MM、リガチャーは旧型セルマー二本締めSP、リードはバンドーレンJAVA3で試奏。ニッケル・シルバー(真鍮とニッケルの合金)の材質の影響かダークでファットな音色傾向です。でも吹き込んでいくとエッジのあるファンキーなサウンドが顔を出します。音色の振り幅が大きいのでシーンによって音色を使い分けたい場合に重宝すると思います。特筆すべきは音の立ち上がりの速さ。これも材質の影響が大きいと思いますが、ノン・ラッカー状態のオールド楽器を吹いているような反応の良さです。さらに細かいアーテュキレーションもバシバシきまるのでタンギングが非常に気持ち良く切れ味抜群です。音程については低音は低め・高音は高めというのが顕著に出るタイプですが、慣れてしまえば問題ないレベルです。

 基本的にダークで落ち着いた傾向を持っているので、ラバーのロー・バッフル系マウスピースでジャズを演奏する方にとって良い選択肢になるのではないでしょうか。ぜひお試しあれ!


ニッケル・シルバーの管体にサテン仕上げ

重厚な音を求めた真鍮とニッケルの合金をサテン・シルバー仕上げにした管体にサテン・ゴールド仕上げのキィのコントラストが見事な質感を出している。豪華な手彫り彫刻が施される

コンビネーション・キィ・ポスト・システム

左手部分には台座一体型キィ・ポストが採用されており、深く奥行きのある音色を実現している。また、耐久性の高いニードル・スプリングも採用

ブラス・サムフックを搭載

ブラス・サムフックの搭載で音の広がりを抑制し芯のあるしっかりした音を追求し、タンポにはピゾーニ社製Proパッドを装着し気密性、防水性に優れ、高寿命に貢献する

(撮影:田坂圭)

280,000円

(問)ホスコ TEL 052-796-1588

■SPECIFICATIONS ●管体:ニッケル・シルバー●キィ:ブラス製(サテン仕上げ)●パッド:ピゾーニPRパッド●その他仕様:ブラス・サム・フック&サム・レスト、ニードル・スプリング、一体型キーポスト台座、●付属品:ケース、マウスピース、リガチャー、グリス、ストラップ、スワブ、リード
■試奏環境 マウスピース:メイヤー5MM、リード:バンドーレン JAVA3、リガチャー:Selmer 旧二本締め


Chateau CAS-HNS試奏動画
この動画はZOOM Q4nで撮影されています。

試奏者  副田整歩

クラシックとジャズの素養を併せ持つサックス奏者。アルト・サックスをメインにサックス全種とフルート、クラリネット、ピアノなどを演奏するマルチ奏者としても活動。お経とジャズのユニットNam Jazz Experiment主宰。スタジオ・ワークのほか中塚武、コトリンゴ、YUKIのサポート・ミュージシャンとしても活動している。デリカテッセンレコーディングスよりシングル「Sign」「Mind Travel」配信中。作編曲家としても高い評価を得る。


LATEST ISSUE

2024年6月13日発売

サックス・ワールドVol.33

◎表紙 才恵加(saeka)

インタビュー
・カマシ・ワシントン
・THE JAZZ AVENGERS 
・ジョージ林(BREIMEN)
・本多俊之 ・村越 葵

◎サックス・プレイヤーズ・ギア・ファイル
・勝田一樹(DIMENSION)

ジャズの巨匠:ドン・バイアス

◎インスト企画
・徹底検証:デュコフ・マウスピース
・カーブド・ソプラノ・ サックスの魅力

◎奏法ノウハウ企画
・新連載:中山拓海が伝授
 アドリブとアンサンブルが同じに学べる“ハモジャズ”セミナー
・小池 修 誌上セミナー リズムが上手く表現できない原因を改善

◎付属CD&スコア連動企画(模範演奏&カラオケ)
「雨のステイション」荒井由実(ss)/演奏:伊勢賢治
「ハレルヤ」 レナード・コーエン(ts)/演奏:屋嘉一志
「星影のステラ」(as/ts)/演奏:青柳 誠
「バッハ 15インベンション 第14番 BWV 784」(as/ts)/演奏:門田”JAW”晃介

 
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