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自宅で音が出せない サックス奏者の強い味方!Roland エアロフォン 在宅練習活用術

サックス奏者の皆さんが自宅で取り組める、エアロフォンを使った在宅練習術を紹介!!

 新型コロナ・ウイルス感染の影響で学校や音楽スタジオ、カラオケ・ボックスなどの使用が制限される状況の中、多くのサックス奏者が練習をしたくても自宅では練習できないという深刻な問題を抱えています。 そんなサックス奏者のお悩みを解消するツールとしてサックス・ワールドがお勧めするのがウインド・シンセの人気モデル”エアロフォン”です。自由に音量コントロールが可能なエアロフォンは、自宅での運指練習、曲の譜読み、耳コピや作曲など、様々なシチュエーションで活躍してくれます。ここではサックス奏者の皆さんが自宅で取り組める、エアロフォンを使った在宅練習術を紹介しましょう。

文:清水玲奈  撮影:中西俊介(製品写真を除く)  撮影協力:Rental Salon Le Soleil

Part 1 サックス奏者にエアロフォンを お勧めする4つの理由

理由1:サックスの運指がそのまま使えるので 指使いの練習に最適です。

テーブル・キィやサイド・キィ さらにフラジオ運指まで対応
 多くのウインド・シンセは独自の運指を採用していますが、エアロファンAE-10 & AE-05はサックスのキィ配置に寄せて作られているので、サックス奏者の実践的な指使い練習に最適です(AE-01はリコーダー運指を採用)。
 楽器自体の重さやキィを押す深さなど、サックスとの違いはもちろんありますが、エアロフォンのボディはとても軽量に作られていて、キィもしっかりと押すことができるので、長時間練習しても苦になりません。苦手な指づかいや新しくチャレンジしたい曲の譜読みなど、体に負荷をかけずにじっくり時間を掛けて練習ができます。
 エアロフォンはテーブル・キィやサイド・キィを搭載しているのはもちろん、なんとフラジオ運指まで対応しています。本来サックスでは出しにくく、ビギナーにはイメージしにくいフラジオ運指が練習できるのは本格的で嬉しいですよね。

理由2:スピーカー内蔵なので、アンプに接続しなくてもすぐに音が出せます!

電子楽器は操作とセッティングが難しい?
 エアロフォンは本体にモニター用のスピーカーが内蔵されています。電子楽器は操作やセッティングが難しいイメージがあると思いますが、エアロフォンだとアンプなどに接続しなくてもシンプルに楽器1本で完結。電源を入れて息を吹き込むだけで、すぐに音が出てくれます。室内はもちろん、公園や海など屋外に持ち出したり、どこでも気軽に演奏を楽しむことができます。
 もちろん本格的に吹奏感を調整したい方は、BreathやBiteコントローラー機能を使えば自分の持っている息の量や咥える力に合わせて微調整ができるので、サックスの吹奏感に寄せることができます。また内蔵スピーカーの音量も0〜10まで調整ができるので、空間サイズに合わせた音量で演奏を楽しむことが可能です。


AE-10は自分へのモニターがしやすいように、2つのスピーカーを搭載している

理由3:ヘッドフォンを接続すれば、深夜でも気軽に 練習ができます!

カラオケ音源とミックスして ヘッドフォンの使用が可能です
 管楽器奏者の永遠の悩みでもある練習場所や時間帯ですが、エアロフォンならヘッドフォンを接続することで、昼夜を問わずいつでもどこでも練習が可能になります。さらに、カラオケなど音源が入っているオーディオ・プレイヤー(スマホなど)をエアロフォンに接続すれば、カラオケ音源に自分の演奏をミックスしてヘッドフォンで聴くことができるのです。最近はスマホのアプリも充実していて、音源のテンポやキーの調整ができるものもあります。それらを活用すると、さらに濃い練習が気軽にできますね。十分に自宅で音が出せない環境にある私自身も、すごく助かっています。


エアロフォンにヘッドフォンやイヤフォンを接続すれば、深夜でも周囲に気兼ねすることなく演奏を楽しめる

理由4:ソプラノ〜バリトンまで サックス音色は移調も含めて 切り替えできます

さらにサックス以外の 多彩な音色も楽しめます
 多彩な音色が楽しめるエアロフォンですが、上位モデルのAE-10は現在129もの音色を本体に内蔵しています(Ver.3.11)。その中でもサックスの音色は特にバリエーションが豊富で、ソプラノ~バリトンまで内蔵。さらにアルトやテナーは1種類だけでなく、自然で表現力豊かなサウンドが実現できるローランド独自のSuperNATURAL音色、ポップス系に適した音色など、演奏する場面や曲に合わせてフィットするサウンドが選択可能。
 なんとソプラノは、だれしもが憧れるケニーGを意識した音色「Soprano K Sax Bb」が搭載されています。さらに面白いのが、4種類のサックスをユニゾンで重ねた「Sax Section」や、吹く音域によってソプラノからバリトンまで、自動でサックスの種類が切り替わる「Full Sax」。エアロフォン1本ですごく演奏の幅が広がりますね。

私のエアロフォン活用法1:米澤美玖

作曲やアレンジの インスピレーションが広がりました!
 サックスは始めるときのハードルが高く、重くて扱いも大変ですが、そういうのを全く気にせず、だれでも簡単に音が出せるのがエアロフォンの良いところ。夜中に作曲していてメロディーをサックスの音色で確認したいときなども周囲に気兼ねなく使えますし、いろんな音色で演奏できる楽しさもあって、クリエイターにも刺激を与えてくれます。私もエアロフォンを使ってみて、新しくチャレンジしてみたいことが増えましたし、作曲やアレンジのインスピレーションも広がりました。


Part 2 サックスの耳コピにはエアロフォンが断然便利!

トランスポーズ機能を使えば あらゆるキーに移調可能 
 サックスの練習をするうえで、耳コピで苦労されている方も多いと思います。そんなときに役に立つのが、自宅でも使えるエアロフォン。移調(トランスポーズ)機能を使えば、サックスのキーに合わせてサックスの運指のままで耳コピができます。

 またアナログ時代の古い音源など、音程が微妙に高いものや低いものでもエアロフォンのチューニング機能でピッチを音源に合わせてあげると、ストレスなく耳コピができて便利ですね。さらに、速度を変えるアプリと合わせて使えば、速弾きフレーズや複雑なハーモニーも怖くないですよ!(AE-05は専用アプリ『Aerophone Go』で速度変更できます!)。


移調(トランスポーズ)機能の設定は、AE-10はディスプレイに表示(写真左)、AE-05ではツマミ(写真右)を回して直感的に行うことができる。AE-01はファンクション・ボタンで設定

■AE-05専用アプリ『Aerophone Go』を使用することで、スマホに内蔵した音源の速度やキーを自在に変更して再生することが可能に(AE-01専用アプリ『Aerophone mini Plus』にも同機能を搭載)。

私のエアロフォン活用法2:伊勢賢治

サックスだけではできない 表現をステージに持ち込める
 エアロフォンは多種多様な音色にニュアンスを詰め込め、本来サックスだけではできない表現をステージに持ち込めるので最高です! 例えば松任谷由実さんのツアーでは、Erhu(二胡)の音色を「春よ、来い」で使用しています。他のステージでも弦楽器がいないときにはチェロやバイオリン、演歌っぽい曲では尺八、カントリーやブルースでハーモニカ、さらに80年代フュージョンで出てくるようなパン・フルートの音色などを使って、エアロフォンで様々な色づけを楽しんでいます。


Part 3 自宅でできるWebレッスン

近所に教室がなくても 自宅リビングでレッスンが受けられる!
 最近は新型コロナ・ウイルス感染の影響で、自由に外出ができなかったり、教室に通えなかったりと悩まれている方もたくさんおられると思います。もちろん今まで近くに教室がなくて、練習を始められなかったという方もいらっしゃると思います。そんな方々に必見です! わたくし清水玲奈は、自宅でできるWebレッスンを行なっております(笑)。エアロフォンだからこそ、自宅に防音環境がなくても気軽に始められるのが魅力ですよね。

 手持ちのパソコンやスマートホンからWeb会議サービスのZOOMアプリをひらくだけで、簡単にWebレッスンが受講できます。ほかにも、SkypeやFaceTime、Lineビデオなど、いろいろなツールがありますし、自宅で気軽にレッスンを受けられるのは、本当に便利。  実際に私もレッスンを始めてみました。生徒さん側が何か機材が必要になるかと心配をしていましたが、そのままエアロフォンの内蔵スピーカーから音を出し(3~6くらいのボリュームでも十分相手に聞こえます)、パソコンに向かって演奏してもらえばしっかりと音も指使いも画面上で確認ができます。生徒さん自身も普段自宅でCDを聴くぐらいの音量で、リラックスしてレッスンが受けられるとのことでご好評いただいております。

 ZOOMには画面を録画する機能もついているので、生徒さんは録画しておくといつでもレッスンの復習が可能というところも嬉しいですよね! 

レッスンの窓口:清水玲奈公式HPよりお気軽にお問い合わせ下さい。
https://www.reinashimizu.com/contact

私のエアロフォン活用法3:ユッコ・ミラー

エアロフォンでの練習内容を 違和感なくサックスで発揮できる
 私の2ndアルバム『SAXONIC』や、ゲスト参加したTRIXの『FESTA』でもエアロフォンで録音している曲が合計3曲あります。ツアー等でも使用していて、とても使いやすくて良い楽器だと思っています。あと、深夜のおうちやツアー中のホテルで練習しないといけないことがあります。そういうときはいつもエアロフォンを使って音のチェックをしたり指の練習をしています。指の配置がとてもサックスに似ているので、エアロフォンでの練習内容を違和感なくサックスに発揮することができると思います。


Part 4 サックス奏者にお勧めのエアロフォンは?

サックス運指に対応したAE-10、AE-05がお勧め
 エアロフォンは現在3つのモデルが発売されていますが、サックス・ワールド読者の皆さんには、やっぱりサックス運指に対応しているAE-10、AE-05がお勧めですね! 練習した内容をそのままサックスに活かせますし、サックスの音色もリアルです。

 上位モデルのAE-10は、ローランドの誇る高品位音源“SuperNATURAL音色”を搭載し、サウンドのリアルさやライブでも使えるような表現力へのこだわりをすごく感じます。一方のAE-05は専用アプリとの連動で音色数の拡張やレッスン機能が使えるなど、楽しみ方を幅広く追求できるモデルです。

 私は特にAE-10がお気に入りで、自宅練習や耳コピ・採譜でもAE-10は大活躍していますが、特にパソコンを使って楽曲を作るときに重宝しています。AE-10は演奏データ(MIDIデータ)を音楽制作ソフト(DAW)に送信できるので、データの入力ツールとして活用しています。鍵盤楽器では不可能な、息を吹き込むことで自然な管楽器のふるまいがエアロフォンでは表現できるので、楽曲制作の幅も広げてくれます。もちろんAE-10に内蔵されている豊富な音色も、レコーディングで大活躍してくれています。

 最新モデルのエアロフォンmini AE-01はその名のとおり軽量コンパクトな設計で、だれでも手軽に管楽器を始められるようにリコーダーに近い運指が採用されています。AE-10、AE-05と比べると機能的にはシンプルにまとめられていますが、手軽にいろんな楽器の音色で管楽器の演奏を楽しみたいという方にお勧めのエントリー・モデルです。


写真上より
■エアロフォンAE-10 オープン・プライス(実勢売価85,000円前後)
 ※グラファイト・ブラック・カラーのAE-10Gもあり
■エアロフォンGO AE-05 オープン・プライス (実勢売価54,000円前後)
■エアロフォンmini AE-01 オープン・プライス (実勢売価35,000円前後)

私のエアロフォン活用法4:中村有里

多数の内蔵音色を演奏することで サックス以外の幅広い表現が可能に
 エアロフォンにはオーケストラで使用される楽器などのリアルなサウンドや、シンセサイザー音色が多数内蔵されているので、サックス以外の幅広い表現が可能です。さらに曲中でサウンドを次々と切り替えていくなどのパフォーマンスを、ステージ上でも楽しむことができます。移調も可能なので、バイオリンやホルンなどの移調楽器用のどんな楽譜でも、普段サックスを吹くときと変わらず初見ですらすらと演奏できるのは嬉しいですね。ヘッドフォンをつなげられるエアロフォンは、特に遠征のときなどホテルで練習でも活躍してくれてます!


Profile 清水玲奈 [しみず・れいな]高校入学後テナー・サックスに出会う。甲陽音楽学院入学後、古谷光広氏・荒崎英一郎氏に師事。2015年より東京ブラススタイルに所属。2017年ミュージカル『キャバレー』に全公演出演。女性では珍しいテナー・サックス奏者の中でも、パワフルなサウンドとアグレッシブなパフォーマンスがトレードマーク。2018年にリーダー作『1031~イチマルサンイチ~』をリリース。東京&大阪にあるトート音楽院にてサックスとエアロフォン・コースの講師を務めている。

Roland エアロフォン 在宅練習活用術 連動動画①
Part 1 サックス奏者にエアロフォンを お勧めする4つの理由

Roland エアロフォン 在宅練習活用術 連動動画②
Part 2 サックスの耳コピにはエアロフォンが断然便利!
〜Part 3 自宅でできるWebレッスン〜Part 4 サックス奏者にお勧めのエアロフォンは?

清水玲奈ソロ・アルバム『1031』 
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Roland Aerophone

問い合わせ先:ローランドお客様相談センター
電話:050-3101-2555 
Web :https://www.roland.com/jp/categories/synthesizers/digital_wind_instrument/

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インタビュー
・ジョー・ロヴァーノ
・対談:カーク・ウェイラム × 本間将人
・マーク・ターナー・遠藤真理子・千野哲太

◎サックス・プレイヤーズ・ギア・ファイル
・谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)
ジャズの巨匠:デイヴィッド・サンボーン追悼企画 拡大版
◎音の匠:スタジオ・サックス・プレイヤーの仕事
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