サックス好きのための専門誌Saxworld

本誌連動企画

話題の電子サックス”エレサ”をJuny-aが試奏!

エレサを使ってみて、サックスが吹けないときでも演奏が楽しめる
楽器があるということをはじめて知りました!

時間や場所を選ばず演奏できるデジタル管楽器。各社からさまざまな製品が発売されている中、新たに登場したのが電子サックス“エレサ”です。手軽に吹けるのはもちろん、サックス経験者にとってうれしい特徴もたくさん備えた要注目の製品を、今回は各方面で活躍中のサックス・プレイヤーJuny-aに試してもらいました。

取材・文:西本勲 撮影:金井恵蓮(製品写真を除く)

サックスの運指が使えて、
 手軽に楽しめる楽器

 家に届いてすぐ吹いてみたんですけど、特別な準備は何も必要なく、スピーカーも付いているので簡単に音を出せました。僕は今まで電子管楽器を演奏する機会はあまりなかったのですが、基本的な操作は取扱説明書を見なくても迷わずにできました。

 ボタン式のキィの感触も良かったです。もちろんサックスのキィとは別物ですが、配置も運指もサックスと同様なので違和感なく演奏できます。本体は軽くて持ちやすく、ストラップを付けなくても大丈夫。そういう意味でも手軽で楽しい楽器だと思います。  

 その一方で、いろいろな細かい設定ができるのも良いですね。ビブラートのかかり方を調整できたり、ブレスの感度を設定できたり、ピッチベンドができたりと、欲しい機能は一通り揃っています。       

全20音色のうち、サックスは5音色を内蔵

 サックスはソプラノ〜バリトンまで5つの音色を内蔵。アルトのみ2音色入っています。そのうちの1つ「1 Soft Alto Sax」は、息に対する反応がゆったりしていて、まさに名前のとおりソフトな音。バラードに合いそうなサウンドです。ブレス感度の設定でニュアンスを変えられますが、最初に吹いたときの感覚は2番以降の音色と少し異なるので、楽器店などで試すときは、「Soft Alto Sax」だけを吹いて判断しない方が良いかもしれません。

 それ以外は全体的に、サックスはサックスらしい音、フルートはフルートらしい音、トランペットはトランペットらしい音が内蔵スピーカーでも再現できているという印象です。この値段で手軽に楽しめる楽器としては十分なクオリティだと思います。

サックスが吹けない自宅練習や夜間の作曲などでエレサは活躍!!

 僕は、作曲していてサックスのメロディーを考えるときにキーボードを使うこともあるのですが、やはり最終的にはサックスで、ブレスの感覚だったりフィジカル的に演奏可能かどうかを確認しています。そんな作業も、こういう楽器があれば時間と場所を問わずにできるんじゃないかなと思いました。もちろん、夜中にちょっと練習したり、譜面をおさらいしたいときなどにも便利です。

 そもそも、サックスは練習場所に苦労することが多いですが、エレサは家で吹けるので、今まで練習できなかった時間を練習に充てることができます。我々にとっては、サックスを吹いているときが一番最高の時間ですが、それができないときでも楽しめるものがあるんだということを、エレサを使ってみて感じました。電子管楽器に興味がなかった人も、ぜひ先入観を捨てて試してみてほしいですね。

仲間とエレサを持ち寄って、アンサンブルを楽しみたい!

 20種類の音色を全部試してみたあと、いろいろな音でDAW(音楽制作ソフト)を使って重ね録りをして、一人吹奏楽みたいなことをやってみたらとても面白かったんです。今はいろんな楽器のスコアが簡単に買えるし、トランスポーズ機能を使えばエレサ側でキーを変更して、移調楽器の楽譜をそのまま演奏できるので、普段サックスを吹いている人もいろんな楽器の音で演奏を楽しめます。

 それを大勢でアンサンブルしたら、もっと楽しそうだなと思いました。生の管楽器は音が大きくて持ち運びも大変なので、大人数で合奏するのはなかなか難しいですけど、エレサならちょっと広めの部屋にみんなで集まるだけでいい。エレサを使った、音楽の新しい楽しみ方としてぜひオススメしたいですね。

Juny-aじゅにあ

山梨県出身。同志社大学The third herd orchestraで、山野ビッグバンドコンテスト最優秀賞、優秀ソリスト賞を受賞。FIRE HORNSのメンバーとして、2014年メジャー・デビュー。2021年に脱退しソロ活動を開始。2022年ソロ1st EP『CPP-EP-』をリリース。​Juny-a & 園田涼(p)デュオでは2枚のアルバムをリリース。サポート・ミュージシャンとしては本名の近藤淳也(こんどうじゅんや)名義で活動。これまでにEvery Little Thing、KinKi Kids、SKY-HI、androp、ずっと真夜中でいいのに、ado、などのレコーディングやライブ、ツアーサポートも行う。

Juny-a Official Web

 

 

電子サックス・Elesa 10(エレサ)
37,950 円(本体のみ/税込)
仕様:●音色:20音色●運指:サックス、リコーダー、ウインドコントローラ、トランペット、など6種類から選択可能●トランスポーズ:±12半音●端子:ヘッドホン/ライン出力、USB-C端子●電源:5V-USB電源、単三電池(4本)●寸法:430(長さ)mm × 80(直径)mm●本体重量:406g(電池含まず)●付属品:USB ケーブル(Type-C to Type A)、マウスピース・キャップ、ネック・ストラップ、取扱説明書

製品Webサイト


エレサ専用キャリー・バッグ(単体販売価格6,490円/税込)※エレサ本体とケースのセット販売もあり

Presented by Fine Assist

support@fineassist.jp


LATEST ISSUE


2025年12月11日発売

サックス・ワールドVol.39

◎表紙:アンディ・ウルフ
◎特集 日本で活躍する外国人サックス・プレイヤーに訊く
    グローバルに活躍する
          サックス奏者になるためのスキルアップ術
 アンディ・ウルフ/デイビッド・ネグレテ/エリック・ネルソン(ewik)

インタビュー ヨランダ・ ブラウン
対談企画 佳子(CiON)× 辻本美博(POLYPLUS)
ジャズの巨匠 ラッキー・トンプソン

◎楽器特集
・ブランド徹底研究:バンドーレン・リード
・シャトーの新製品 シャンボール・シリーズをAMI & Lotta(MOS)が試奏!
・エアロフォン ユーザー・レポート Aerophone Brisaneets Meets SUAI
・ロブクーのプロ仕様モデル クラリ・プロ C20を宮崎隆睦が紹介

◎付属CD&スコア連動企画(模範演奏&カラオケ)
・ 「粉雪」レミオロメン
     演奏:伊勢賢治(ss)
・ 「マイ・ブルー・ヘブン(私の青空)」(as & ts)
     演奏:青柳 誠(as/ts)
・バッハ「無伴奏チェロ組曲 第1番ト長調 BWV1007 メヌエット I/II」
    演奏:門田”JAW”晃介(ts/独奏)
・ ロッシーニ『ウィリアム・テル序曲』より (メタル・アレンジ)
   演奏:千野哲太(as)

 
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