サックス好きのための専門誌Saxworld

本誌連動企画

BIRD STRAP その進化に迫る!

大人気のハイエンド・ストラップに
さらなる進化を遂げた新モデルが登場!

豊富なカラー・バリエーション&交換パーツや便利なWEBオーダー・システム、体への負担を軽減する独自のデザインなどで、プロアマ問わず愛用者が増え続けているバード・ストラップ。今回、本誌に登場しているさまざまなサックス奏者たちの首元を見れば、その人気のほどが伺えるだろう。そしてこの度、バード・ストラップに新たなラインナップが登場! さらに機能的なデザインを取り入れた革製パッドとV型プレートを中心に、とどまることを知らないその進化に迫る!

改良された革製パッドとスリムになったV型プレート

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本ページの写真を見て、パッド形状の変化に気づいた人はかなりの通だ。これまでより縦幅を狭く、横幅を長くしたほか、内部のクッションも変更。要は横に細長くなり、全体が薄くなったのだ。クッション性はそのまま、より衣装に馴染むほか、パッド先端が鎖骨に当たらず、さらに快適な演奏ができるだろう。楽器が軽く感じる効果もあるようだ。パッド内部にはプラスティックの芯材を追加。適度な反発力をもたせることでパッドが首回りへ密着することを防ぐため、よりスムーズな息の流れを実現した。そして、V型プレートも細身のデザインに一新。従来の機能はそのまま、スタイリッシュかつ軽量な姿へと生まれ変わったのだ。写真のスタンダード・ロング(10,600円)をはじめ、7タイプの完成品のほか、すべてのパーツを単体で手に入れることができるので、すでに愛用している人も要チェックだろう。

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■新型の革製パッド。中央にはクッションを入れずに、あえて“くぼみ”が作られている。これにより頚椎を圧迫せず、首の痛みなどを防止するというひと工夫だ。交換用パッドは1,000〜3,600円。

 


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■ブレード(紐)は2mmと3mmの全23種。500円 ■ブレードクリンチ。ブレード(紐)の太さによって2mm用と3mm用があり、全13色をラインナップ。1,600〜2,400円


IMG_6508 ■スタイリッシュな最新V型プレート。スタンダード・スマート(左/2,800〜3,600円)とワイド・スマート(右/4,200〜5,000円)があり、各全13色を展開中。


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■写真のように、ブレード・クリンチ(紐止め)を六角レンチで外し、紐をほどくことで全パーツが交換できる。 メイン写真のスナップフック(500円)のほか、S字フック(500円)にも交換可能だ。

Presented by B.AIR 問 タツミ楽器 ☎︎03-6310-4673 WEB www.b-air.jp


愛用者と開発者が語るバード・ストラップの魅力

元 晴 SOIL & “PIMP” SESSIONS × 巽 朗 SPEAK NO EVIL

続いては、バード・ストラップの生みの親である巽朗と、愛用者代表とも言えるSOIL & “PIMP” SESSIOINSの元晴との対談をお届けしよう。2管フロントのバンド=SPEAK NO EVILを新始動するなど、共にひとつのサウンドを作り上げている真っ最中の2人が語る、バード・ストラップが生まれた必然性、使用感やその魅力などを、たっぷりと語っていただいた。 _IGP2474comp

カッコいいストラップは音楽にもパワーを与えてくれる


●元晴さんの最新モデル、凄いですね!(上の写真で着けているもの)。
 

元晴:だいぶ気に入ったので、しばらくこの2つをヘビー・ユーズしていこうという気になってます。
巽:なんぼでも作りますがな。俺には絶対似合わへんけど(笑)。
元晴:そもそも最初にストラップをデコし始めたのは俺だと思うんだけど、それってバード・ストラップに影響してたりする?
巽朗:うん、してるしてる。
●元晴さんは10年以上前からオリジナル・デザインのストラップを作ってましたもんね。
元晴:当時はデザインがかなり限られていたので、友達のデザイナーに依頼していろいろ作ってもらってたんです。ソイルが活動し始めたころで、周りにたくさんのアーティスト、ファッション・デザイナー、カメラマンなど、いろんなジャンルの人がいて、彼らにもインスパイアを受けていて。音楽っていうのは総合アートだと思うんですけど、当時はその一部となるような“ストラップのデザイン”がなかったから、欲しかったら自分で作るしかなかったんですよね。
●なるほど。元晴さん同様、巽さんも、ご自身でストラップを作り始めた経緯などがあるんですよね?
巽:そうやね。今言ってた元君の考えはすごく共感できるし、機能面で言えばノドが締まらないような快適なものがあったらなと思ってたし。だから楽器屋に並んでるのは全部買って試したよ。
●その結果、どんなアイディアが思いつきました?
巽:まず消耗したら捨てるっていうのをなくしたかったから、パーツがバラバラにできて、紐だけ傷んだら紐だけ、パッドが傷んだらパッドだけ交換できるようなものがいいなと思った。バージョンが新しくなっても、パーツを変えて対応できるようなね。とにかく消耗品っていう概念は捨てたかったから。
●モノとしての在り方そのものに疑問を感じてたんですね。
巽:それもやし、あとはコストがかかっても、メイド・イン・ジャパンにこだわりたいなと。労働者から搾取して作るようなことはできるだけしたくないし。音楽に使うアイテムやから、そういうところにもこだわっていけたらなと思います。
●なるほど。
元晴:ストラップは音色にも影響するしね。
●どんな影響がありますか?
元晴:紐が硬いほうが、明るい響きになるかな?
巽:元君は2ミリの紐にこだわってるもんな。太いとそば鳴りして、細いと遠鳴りして抜ける音になる傾向はあると思う。
元晴:新しいパッドは首を痛めないように、頚椎にあたる部分に隙間ができてるんですけど、こういうのも実は凄いアイディアだと思うんですよね。
●これも巽さんの実体験から生まれたものですか?
巽:そうやね。あと従来のストラップはパッドの角が鎖骨にあたっちゃうんやけど、形状や長さを変えて、角とか結び目が鎖骨にこないようになってる。そういうのはどんどんデザインに取り入れてます。あとはパッドの縦幅を細くしたり。俺はステージ衣装がいつもスーツやから、できるだけファッションとか衣装に影響がなく、楽に演奏できるものを追求していった 結果、今回の新しいデザインになったんやけどね。
●巽さん自身が現役のサックス・プレイヤーであることも、バード・ストラップを形成する大きな要素ですよね。
巽:ライヴやレコーディングでの経験は反映されているかもしれへんね。サックス吹きである自分の視点っていうのは、何を作っていようが嫌でも無視できないし、結果的にそれがユーザー視点となっているならそれは嬉しいですけどね。もしそれがなかったら全然違うものになってると思うし。
元晴:そうだよね。カッコいいストラップをつけてるとモチベーションも上がるし、音楽にもパワーを与えてくれるっていうのは実際あると思う。

ワガママにとことん答えようと、その結果が進化に繋がった

●プレイや音色への好影響もあります?
元晴:変わりますよ。全然違う。
巽:バリトンはバード・ストラップじゃないと無理って言うてたもんな。
元晴:そうそう。テナーとかも普通のだとノドがすごく締まっちゃう。その状態がある意味モニタリングになってたんだけど、今はバード・ストラップの塩梅がいいなと思っていて。新しいパッドを使ったらモニタリングがしやすくなってたし、どんどんバージョンアップしているなと思いました。
巽:まあ単純に楽に吹けるものにしようと思ったら、やりようはいくらでもあるんですよ。でも、既存のストラップからかけ離れすぎなく、ステージ衣装にも影響なくいいところを考えたら、こういう形になったんです。観てるお客さんも、ミュージシャンがカッコよくキメてるほうが楽しいだろうし、自分の気持ちも変わるだろうしね。
●確かにそう思います。
元晴:オーディエンスに対してのサービス精神と、自分の気持ちの満足度だよね。
●ミュージシャンの生の声を聞くのを大事にしている印象も強いですね。
巽:みんなワガママ言い放題やから(笑)、それにとことん答えようと反映していった結果、進化してるっていうのはあるかな。
●では最後に元晴さん、改めてバードストラップの魅力とはなんでしょう?
元晴:やっぱりオーダメイドでパッドやパーツの色とか紐の太さを選べるっていうところですかね。サックスってどんな音楽でも活躍の場があるし、フィットできるんですよ。ジャズだけじゃなく、レゲエもロックもラテンもヒップホップも、どんなジャンルでも絡んでいける。そういうときに、ストラップのカラーとかで自分のいろんなキャラを開花していってほしいですよね。もちろん黒だけっていう感覚も良いけど、別のカラーにトライしてみたら、新しい自分の音楽にすら発展していくんじゃないかなって思います。


Profile

元晴(もとはる) SOIL & “PIMP” SESSIONSのサックス担当。バンドの最新作『Black Track』では、ソプラニーノからバリトンまで、5種のサックスを吹き分け、幅広いサウンドを演出した。高いテクニックと圧倒的な存在感で、SOIL & “PIMP” SESSIONS以外にも、三宅洋平率いる(仮)ALBATRUSなど、さまざまなプロジェクトで引っ張りだこに。今年春には、巽朗との新バンド、SPEAK NO EVILを始動させた。
公式サイト◎https://www.jvcmusic.co.jp/soilpimp/index_jp.php?language=ja

巽朗(たつみ・あきら) 伝説的スカ・バンド、Determinationsのメンバーとして活動。バンド解散後はさまざまなプロジェクトを経たのちに、ソロ活動をスタート。近年はTatsumi Akira Island Jazz Session、Tatsumi Akira African Sessionとして活動するほか、2015年11月に始動したDUBFORCEにも参加。2016年春にはIsland Jazz SessionのメンバーとともにSpeak No Evilを結成。2016年夏に同バンド初の音源リリースを予定している。
公式サイト◎https://tatsumiakira.com/


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